2012-08

キッチンを考える

 かつて料理はしゃがんで鍋に火をかけたり、お皿を洗ったりと大変な重労働でした。

しかし、だんだんと技術上の改善がされていき、立ったままの姿勢で料理が可能になっていきました。その後、日本に於いては昭和30年代に入り、団地でキッチンとダイニングを同じ空間として寝室とは別にするDKスタイルが生まれます。さらに、昭和60年代からテレビが普及しはじめるとDKとは別にテレビを家族で見るための居間が必要になりました。そのためDKにはリビングが加えられLDKへと変わっていくのです。

そのときからキッチンは対面式が支持されていくようになりました。実はそれはキッチンがダイニングテーブルとは相性が良いが、リビングには相性が悪いためキッチンの手前を隠したいという発想からそうなったのではないか、というのが僕の勝手な推測です。

最近でも相変わらず対面式キッチンが人気ですが、その理由の大半は子供を見ながら家事ができ家族から孤立しないで料理ができるというものです。

しかし、僕は対面式キッチンはもともと前述のキッチンとリビングとの相性の問題を解決するために普及した配置ではないかと考えています。

サザエさんやちび丸子ちゃんの家では台所は独立した空間となっています。どちらも居間にはちゃぶ台とテレビがありダイニングテーブルはありません。もし、サザエさんの家の台所が居間と一緒の空間になったとしたら、とても煩雑な雰囲気になるでしょう。そうなった場合キッチンは対面式にして、できるだけ料理を隠す配置にしたくなるのではないでしょうか。反対にサザエさんの家のように台所が居間と独立できるのであれば、対面式にする必要性はありません。また、DKのみでリビングが不要ということであれば、必ずしも対面式にする必要はないということです。

つまり、キッチンは隣接する用途と空間の関係性を考慮し、総合的に配置を計画していくことが肝要なのです。

カテゴリー: 日記 | 投稿日:2012年8月15日 | 投稿者:isakano